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超自己満足小説
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「橋本先生は理事長の元奥さんだったんだ。だから父のことも知っている。保健医として、俺の面倒を見ていてくれたんだ。」
部屋に戻って、補足の説明をした。
純は聞いているようで聞いていないような態度で、ベッドに横になっていた。
「ついでだから聞くけど、」
和希は意を決して純に向き直った。
「純はなんで、サッカーやめたの?」
「・・・なんでその話が出るんだよ・・・。」
「聞いてるのはこっち。今まで聞きたくても聞けなかったんだ。俺の秘密との交換に教えてよ。」
純は薄目を開けて和希を睨むと、「よっこらしょ」と起き上がった。
「たいした話じゃねえよ。仲良かったヤツが辞めたから、俺も辞めただけ。」
「それ、暴行事件のこと?」
純はさらに嫌そうな顔をして、大きく息を吐き出していった。
「あれは俺が悪かった。気付かなかった。あいつがそんなに悩んでいたことにも、俺一人で馬鹿みたいに喜んで・・・。」
そこでまたため息をつき、話を続けた。
「基樹、は、小学校の時から同じチームで、ポジション被ってたし、いいライバルだった。一緒に清学入って、一緒に合宿行って・・・」
「あ、都の代表選ばれたって・・・」
「違えよ、U15だ。」
「へ?」
「とにかく、そいつが俺よりずっと努力してたってのに、逆に身体壊して膝痛めて、もう選手としては使えないって言われちまって・・・。」
「・・・。」
「練習来なくなったから問い詰めたら、病院通っているうちにヘンな奴らと付き合うようになって、薬に手を出したって言うから・・・。」
「それで?」
「ああ、それで・・・殴った。」
純は部屋を見回して、言った。
「この部屋で。」
和希は黙って聞いていた。
「気い失うほど殴った後で、『俺にはサッカーしかなかった』なんていうから、『じゃあ俺も辞める』って言った。薬売りつけにきた奴らもボコボコにのして。」
それが暴行事件って言われたのか・・・。
「それ、純はちっとも悪くないんじゃ・・・」
「悪くなくても、手を出したら負け。」
純は口元を歪めて笑った。とても自嘲な笑いだった。

「さっきは・・・ごめん。」
「まだ何かあるのか。」
純はまた不快そうな顔をした。
「さっき・・・よく知らないけど、純にとって、お母さんのことはあんまり言われたくないんだね・・・。」
和希は言葉を選びながら話した。
「俺、産まれた時から母親いなかったから、単純にいいなあって思っちゃって。ごめんね。」
「・・・もういい。」
純は不貞寝をするようにゴロッと横になると、和希から顔が見えないようにした。
「なんだか今日は疲れた。」
そう言うと、目を瞑り動かなくなった。

 
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プロフィール
HN:
綾部 叶多
性別:
非公開
自己紹介:
当ブログについて

はじめまして。
こちらは綾部叶多が管理する妄想小説ブログです。
管理人の萌えツボをひたすら刺激するためだけの話がおいてあります。
管理人はリアル生活において低血糖なため、糖度が若干高めになっております。
お口に合いますか存じませんが、よろしければどうぞご賞味くださいませ・・・。




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