超自己満足小説
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純はあいかわらず、帰りが遅かったり早かったりだった。
和希が尋ねても、「おんな」としか言わない。
オンナ?って、何??
和希はいつも、首を傾げるだけだった。
「和希、不便はない?」
「ん?ああ、大丈夫だよ。」
守は何かと気にかけてくれる。
部屋割りを変えようかと提案してくれたのも守だ。
基本的に、一度入った部屋は変えないのがここのやり方なのだが、ちょうど進級と同時に卒業していく先輩もいるので、空き部屋があれば、一人部屋になるようにしてくれるというのだ。
「平気だって。特別扱いはいらないよ。」
和希は笑って返した。
和希は人づてに、純がサッカー部だったことを聞いた。
とても有能な選手だったそうだ。
なんだったかの選手に選ばれて、もう一人の生徒と強化合宿に行ったことがあるそうだ。
それが今は夜遊び三昧。
部活も辞めてしまっているようだ。
和希はいくつか話を聞いたが、みんな噂の域を出ないようで、本当のところは分からなかった。
「お前、よく純といられるよなあ・・・。」
感心したように、同じクラスの平野が言った。
「なんで?純、いいやつだよ?」
和希は逆に聞き返した。
どうしてみんな純を怖がるんだろう・・・。
「あいつさ、同じ部屋だったヤツを殴って、退学させちまったんだよ。」
「ほんと?」
「だからお前、空いてる純の部屋になったんだろ。」
和希が考えていると、平野は続けて言った。
「それにあいつ、他校のやつも殴って出場停止になったんだよ?普段あんなだけど、怒らせたらちょー怖ええじゃん。」
「そうかなあ・・・。」
確かにちょっと怖そうに見えるけど、理由も無く殴ったりするような、そんな悪いことをする人じゃないと思う。
きっとなにか事情があるんだ。
僕のように。
今のところは順調に暮らしているが、いつ純に本当のことを話そうかと、和希は悩んでいた。
逆に、純に何があったのかを、和希は聞けずにいた。
それは、和希にも秘密があるように、きっと純にも言いたくないことがあるはずだ、という、勝手な言い訳であった。
その点をうやむやにしながら、進級の時期を迎えることになった。
BACK 第二章へ
和希が尋ねても、「おんな」としか言わない。
オンナ?って、何??
和希はいつも、首を傾げるだけだった。
「和希、不便はない?」
「ん?ああ、大丈夫だよ。」
守は何かと気にかけてくれる。
部屋割りを変えようかと提案してくれたのも守だ。
基本的に、一度入った部屋は変えないのがここのやり方なのだが、ちょうど進級と同時に卒業していく先輩もいるので、空き部屋があれば、一人部屋になるようにしてくれるというのだ。
「平気だって。特別扱いはいらないよ。」
和希は笑って返した。
和希は人づてに、純がサッカー部だったことを聞いた。
とても有能な選手だったそうだ。
なんだったかの選手に選ばれて、もう一人の生徒と強化合宿に行ったことがあるそうだ。
それが今は夜遊び三昧。
部活も辞めてしまっているようだ。
和希はいくつか話を聞いたが、みんな噂の域を出ないようで、本当のところは分からなかった。
「お前、よく純といられるよなあ・・・。」
感心したように、同じクラスの平野が言った。
「なんで?純、いいやつだよ?」
和希は逆に聞き返した。
どうしてみんな純を怖がるんだろう・・・。
「あいつさ、同じ部屋だったヤツを殴って、退学させちまったんだよ。」
「ほんと?」
「だからお前、空いてる純の部屋になったんだろ。」
和希が考えていると、平野は続けて言った。
「それにあいつ、他校のやつも殴って出場停止になったんだよ?普段あんなだけど、怒らせたらちょー怖ええじゃん。」
「そうかなあ・・・。」
確かにちょっと怖そうに見えるけど、理由も無く殴ったりするような、そんな悪いことをする人じゃないと思う。
きっとなにか事情があるんだ。
僕のように。
今のところは順調に暮らしているが、いつ純に本当のことを話そうかと、和希は悩んでいた。
逆に、純に何があったのかを、和希は聞けずにいた。
それは、和希にも秘密があるように、きっと純にも言いたくないことがあるはずだ、という、勝手な言い訳であった。
その点をうやむやにしながら、進級の時期を迎えることになった。
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プロフィール
HN:
綾部 叶多
性別:
非公開