超自己満足小説
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唐突に、クラスの仲間が言った。
「『九条女説』でてるよぉ。」
「はあ?」
和希は大きくのけぞった。
ななな、なんで??なんで分かっちゃったの?
俺、ばれる様なことしてないよ?
和希は動揺を隠して、目の前の友達に聞いた。
「なんでそうなるの?」
「いやあ、だってお前女顔だしぃ、小せえしぃ。守も純もメロメロって感じで・・・」
「ない!!絶対そんなことない!!」
和希は大声で否定した。
あわてて純と守を屋上に呼んで、言われたことを繰り返し話すと、純はにやっと笑っていった。
「分かんねえと思ってんのは、お前だけだ。」
へ?どういうこと?
「そうだね。でも、このままじゃまずいでしょ。」
「どうすれば良い?俺、どうしたら・・・」
「そうだな・・・。」
守は少し考えて、言った。
「和希に彼女がいるっていえばいいんじゃない?女の子は女の子と付き合わないでしょ?普通は。」
「なーるーほーどー。」
和希は大きく頷いた。でもさ・・・
「彼女って・・・どうするの?」
「お前なら楽勝だろ。カワイイって言って、おねーさんたちが群がりそうだ。」
純が面白そうに言ったが、和希は一瞬青ざめた。
「純、からかうなよ。そうだな・・・。誰か秘密を知ってる子で、うちの文化祭に来れそうな子、いない?」
「そんな子は・・・。」
ふと、頭に浮かんだのは・・・たった一人、女の子の知り合いがいる。
友達と呼べるのかは分からないが。
「思いついた?」
「うん・・・ひとりだけ。」
「誰?」
「俺の・・・婚約者。」
二人が一瞬息を呑むのが分かった。
「正確に言うと、元婚約者だけど。河本美弥さん。」
連絡は取れると思うけど、彼氏いるからなあ・・・。
和希が躊躇していると、守が肩を叩いて言った。
「ダメ元できいてみたら?」
和希は美弥に、約1年ぶりに電話をすることとなった。
単刀直入に話を切り出し、事情を説明すると、美弥は快く引き受けてくれた。
ただ、一言だけ小さな声で呟いたが。
「そう、まだ、男の子で通してるのね。」
美弥は和希の父に、もう男で通すには無理があると説得してくれたのだ。
・・・無駄ではあったが。
女だと知ってしまった以上、結婚することは出来ないと破談にした。
でも、美弥は悪くない。
悪いのは・・・男で生まれてこなかった自分だ。
電話の向こうで、美弥がスケジュール帳を捲っている音がしている。
「ええと・・・15日だよね・・・うん、大丈夫。予定ないよ。」
「良かった。じゃあ、来てくれる?」
「もちろん。」
時間を決めて、電話を切った。
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「『九条女説』でてるよぉ。」
「はあ?」
和希は大きくのけぞった。
ななな、なんで??なんで分かっちゃったの?
俺、ばれる様なことしてないよ?
和希は動揺を隠して、目の前の友達に聞いた。
「なんでそうなるの?」
「いやあ、だってお前女顔だしぃ、小せえしぃ。守も純もメロメロって感じで・・・」
「ない!!絶対そんなことない!!」
和希は大声で否定した。
あわてて純と守を屋上に呼んで、言われたことを繰り返し話すと、純はにやっと笑っていった。
「分かんねえと思ってんのは、お前だけだ。」
へ?どういうこと?
「そうだね。でも、このままじゃまずいでしょ。」
「どうすれば良い?俺、どうしたら・・・」
「そうだな・・・。」
守は少し考えて、言った。
「和希に彼女がいるっていえばいいんじゃない?女の子は女の子と付き合わないでしょ?普通は。」
「なーるーほーどー。」
和希は大きく頷いた。でもさ・・・
「彼女って・・・どうするの?」
「お前なら楽勝だろ。カワイイって言って、おねーさんたちが群がりそうだ。」
純が面白そうに言ったが、和希は一瞬青ざめた。
「純、からかうなよ。そうだな・・・。誰か秘密を知ってる子で、うちの文化祭に来れそうな子、いない?」
「そんな子は・・・。」
ふと、頭に浮かんだのは・・・たった一人、女の子の知り合いがいる。
友達と呼べるのかは分からないが。
「思いついた?」
「うん・・・ひとりだけ。」
「誰?」
「俺の・・・婚約者。」
二人が一瞬息を呑むのが分かった。
「正確に言うと、元婚約者だけど。河本美弥さん。」
連絡は取れると思うけど、彼氏いるからなあ・・・。
和希が躊躇していると、守が肩を叩いて言った。
「ダメ元できいてみたら?」
和希は美弥に、約1年ぶりに電話をすることとなった。
単刀直入に話を切り出し、事情を説明すると、美弥は快く引き受けてくれた。
ただ、一言だけ小さな声で呟いたが。
「そう、まだ、男の子で通してるのね。」
美弥は和希の父に、もう男で通すには無理があると説得してくれたのだ。
・・・無駄ではあったが。
女だと知ってしまった以上、結婚することは出来ないと破談にした。
でも、美弥は悪くない。
悪いのは・・・男で生まれてこなかった自分だ。
電話の向こうで、美弥がスケジュール帳を捲っている音がしている。
「ええと・・・15日だよね・・・うん、大丈夫。予定ないよ。」
「良かった。じゃあ、来てくれる?」
「もちろん。」
時間を決めて、電話を切った。
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プロフィール
HN:
綾部 叶多
性別:
非公開