超自己満足小説
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入学式から数日が経過した。
和希は無記入の入部届けを手にしたまま、どこの部に所属しようか悩んでいた。
参考までに、守に中学での部活を聞くと「空手部」という答えが返ってきた。
「空手か・・・。」
小さいときから、護身術代わりに習っていたそうだ。
「そういうの、何にもしたことないや・・・。」
和希はため息をついた。
「・・・何しにきた。」
校門のところで、純が知らない女性と話をしている。
「帰れ。」
「純・・・。」
女性の顔がちらりと見えた。
後姿では分からなかったが、意外と高齢のような女性。
誰だろう・・・。痴話げんか、にしては歳が離れてる。
「おかあさんね・・・」
「・・・るせー。帰れよ。」
純は女性に背を向けると、振り返りもせず歩き出した。
着替えをしながら、和希は先ほどの会話を思い出していた。
胸を締め付けていたサポーターをはずし、シャツのボタンを留めようとした時、「コンコン」と音がして、純が入ってきた。
和希はあわてて服を直し、上からカーディガンを羽織った。
「純。」思わず声をかける。
「あ、あのさ、さっきの人・・・。」
純は不機嫌な目で和希を見た。
「・・・お母さん、でしょ?」
純は黙っている。
「似てるね、純に。・・・お母さん、何か用だったんじゃない?」
「あんなの、母親じゃねえ。勝手に産んどいて、母親面してるだけじゃねーか。」
「そんな言い方するなよ。せっかく会いに来てくれたんだから。」
「・・・言い訳しに来ただけだろ。」
和希は純の前に立って、顔を見上げていった。
「だったら、ちゃんと聞いてあげなきゃ。」
純の目がぎろりと和希を見下ろした。
それでも和希は続けて言った。
「ちゃんと、話さなきゃだめだよ。」
・・・あ、しまった。
そう思ったときは、すでに遅かった。
和希は純の、地雷を踏んでしまったようだった。
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和希は無記入の入部届けを手にしたまま、どこの部に所属しようか悩んでいた。
参考までに、守に中学での部活を聞くと「空手部」という答えが返ってきた。
「空手か・・・。」
小さいときから、護身術代わりに習っていたそうだ。
「そういうの、何にもしたことないや・・・。」
和希はため息をついた。
「・・・何しにきた。」
校門のところで、純が知らない女性と話をしている。
「帰れ。」
「純・・・。」
女性の顔がちらりと見えた。
後姿では分からなかったが、意外と高齢のような女性。
誰だろう・・・。痴話げんか、にしては歳が離れてる。
「おかあさんね・・・」
「・・・るせー。帰れよ。」
純は女性に背を向けると、振り返りもせず歩き出した。
着替えをしながら、和希は先ほどの会話を思い出していた。
胸を締め付けていたサポーターをはずし、シャツのボタンを留めようとした時、「コンコン」と音がして、純が入ってきた。
和希はあわてて服を直し、上からカーディガンを羽織った。
「純。」思わず声をかける。
「あ、あのさ、さっきの人・・・。」
純は不機嫌な目で和希を見た。
「・・・お母さん、でしょ?」
純は黙っている。
「似てるね、純に。・・・お母さん、何か用だったんじゃない?」
「あんなの、母親じゃねえ。勝手に産んどいて、母親面してるだけじゃねーか。」
「そんな言い方するなよ。せっかく会いに来てくれたんだから。」
「・・・言い訳しに来ただけだろ。」
和希は純の前に立って、顔を見上げていった。
「だったら、ちゃんと聞いてあげなきゃ。」
純の目がぎろりと和希を見下ろした。
それでも和希は続けて言った。
「ちゃんと、話さなきゃだめだよ。」
・・・あ、しまった。
そう思ったときは、すでに遅かった。
和希は純の、地雷を踏んでしまったようだった。
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プロフィール
HN:
綾部 叶多
性別:
非公開