超自己満足小説
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昨日の今日で、また夜遊びって、どういうことだよ。
和希はまた、純を待っていた。
ガタン、と音がして、純が帰ってくる。
「・・・おかえり。」
返事をしない。
「あのさ・・・」
「話すことなんてねえよ。」
純は冷たく言い放った。
「そうじゃなくて。女の子たちのことだけど・・・。」
和希は言いにくそうに口にした。
「どうしてとっかえひっかえするの?彼女にはしないの?」
「お前に関係ないだろ。」
「そうだけど・・・。かわいそうだよ。」
純は急に和希に接近して言った。
「・・・じゃあ、お前が変わってくれんのか?」
「あ・・・お・・・俺?」
「お前だって、女だろ?抱かせてくれんの?」
「いや・・・それは・・・。」
純は両手をついて和希の体を壁との間に挟み込む。
「俺が『やらせて』って言ったら、やらせんの?」
和希は首をブンブン振って、否定した。
「あいつらはすぐやらせるぞ。女なんてそんなもんだ。」
「違うよ!」
和希はやっと声を発した。
「違う、それは。純、あまりにも馬鹿にしすぎだ。」
「何が違うんだよ。子供いたって、他に男作るぐらいだ。女なんて・・・」
「だから違う!!」
また潤んできた。でも、今日は泣かない。
「純のお母さんは、確かに間違ったことをしたかもしれない。でも、お母さんだって、きっと辛かったんだ。なにか理由があったんだよ。」
「ワケがあったって浮気していいことにはならないだろ。」
「でもっ。」
「俺は許せない。」
「許せないのは分かる。でも、それで女の子馬鹿にしていいって事にはならないでしょ?」
ほとんど顔がつきそうな位近づいているが、和希は純の顔を覗きこみ、目を合わせた。
「ちゃんと話をしようよ。逃げてないで。本当の気持ちを、話してよ。」
純の顔色が曇る。だが、和希は目を逸らさなかった。
「やけになって、遊んでないでさ・・・本当は、サッカーやりたいんでしょ?」
純の瞳がぐらりと揺れる。それを間近で見た和希は、話を続けた。
「純は本当にサッカー好きなんだ。球技大会の時、すっごく楽しそうだったもんね。俺も、純のサッカーするとこ、見てみたい。純にはちゃんとやりたいことやってもらいたいんだ。」
ね、と首をかしげて純の目を見つめる。
「後悔しないで、好きなことやってほしいんだ。」
純は思わず息を詰める。和希の瞳から目を逸らすことができない。
どのくらい経っただろうか。純が小さな声で言った。
「分かったよ。・・・やるよ、もう一度。」
翌日、和希は純を引っ張って、サッカー部部室のドアを開けた。
「すいませーん。一年の宮城ですが、入部しまーす。」
「おい、ちょっと待て、いきなりかよ。」
「だって、早くしないと、また気が変わっちゃいそうだし。」
わしゃわしゃと頭を掻いて、純がしぶしぶ入部届けを記入した。
「もう逃げないでね。」
「分かったよ。」
「まじめにやるんだよ。」
「分かってるって。」
「もうヤケおこさないでね。」
「・・・。」
「なんで黙るのさ。」
「・・・分かったよ。」
和希は満足げに笑うと、純に向かって小指を突き出した。
「約束だよ。」
純は弱った顔をしたが、その指に、自分の指を絡めた。
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和希はまた、純を待っていた。
ガタン、と音がして、純が帰ってくる。
「・・・おかえり。」
返事をしない。
「あのさ・・・」
「話すことなんてねえよ。」
純は冷たく言い放った。
「そうじゃなくて。女の子たちのことだけど・・・。」
和希は言いにくそうに口にした。
「どうしてとっかえひっかえするの?彼女にはしないの?」
「お前に関係ないだろ。」
「そうだけど・・・。かわいそうだよ。」
純は急に和希に接近して言った。
「・・・じゃあ、お前が変わってくれんのか?」
「あ・・・お・・・俺?」
「お前だって、女だろ?抱かせてくれんの?」
「いや・・・それは・・・。」
純は両手をついて和希の体を壁との間に挟み込む。
「俺が『やらせて』って言ったら、やらせんの?」
和希は首をブンブン振って、否定した。
「あいつらはすぐやらせるぞ。女なんてそんなもんだ。」
「違うよ!」
和希はやっと声を発した。
「違う、それは。純、あまりにも馬鹿にしすぎだ。」
「何が違うんだよ。子供いたって、他に男作るぐらいだ。女なんて・・・」
「だから違う!!」
また潤んできた。でも、今日は泣かない。
「純のお母さんは、確かに間違ったことをしたかもしれない。でも、お母さんだって、きっと辛かったんだ。なにか理由があったんだよ。」
「ワケがあったって浮気していいことにはならないだろ。」
「でもっ。」
「俺は許せない。」
「許せないのは分かる。でも、それで女の子馬鹿にしていいって事にはならないでしょ?」
ほとんど顔がつきそうな位近づいているが、和希は純の顔を覗きこみ、目を合わせた。
「ちゃんと話をしようよ。逃げてないで。本当の気持ちを、話してよ。」
純の顔色が曇る。だが、和希は目を逸らさなかった。
「やけになって、遊んでないでさ・・・本当は、サッカーやりたいんでしょ?」
純の瞳がぐらりと揺れる。それを間近で見た和希は、話を続けた。
「純は本当にサッカー好きなんだ。球技大会の時、すっごく楽しそうだったもんね。俺も、純のサッカーするとこ、見てみたい。純にはちゃんとやりたいことやってもらいたいんだ。」
ね、と首をかしげて純の目を見つめる。
「後悔しないで、好きなことやってほしいんだ。」
純は思わず息を詰める。和希の瞳から目を逸らすことができない。
どのくらい経っただろうか。純が小さな声で言った。
「分かったよ。・・・やるよ、もう一度。」
翌日、和希は純を引っ張って、サッカー部部室のドアを開けた。
「すいませーん。一年の宮城ですが、入部しまーす。」
「おい、ちょっと待て、いきなりかよ。」
「だって、早くしないと、また気が変わっちゃいそうだし。」
わしゃわしゃと頭を掻いて、純がしぶしぶ入部届けを記入した。
「もう逃げないでね。」
「分かったよ。」
「まじめにやるんだよ。」
「分かってるって。」
「もうヤケおこさないでね。」
「・・・。」
「なんで黙るのさ。」
「・・・分かったよ。」
和希は満足げに笑うと、純に向かって小指を突き出した。
「約束だよ。」
純は弱った顔をしたが、その指に、自分の指を絡めた。
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プロフィール
HN:
綾部 叶多
性別:
非公開