超自己満足小説
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で、やっぱりおんなじクラス。
どこまで行っても、あいつはわたしについて来るつもりなの?
この縁、断ち切りたいんですけど。
なっちこと東山菜摘は、わたしとあいつの関係をあれこれ詮索したあと、「幼馴染かぁ・・・。」とうらやましそうに呟いた。
「私んち、転勤族だったから、幼馴染なんてできなかったなあ・・・。」
「なっちこそ、うらやましいな。一度でいいから、『転校生の北島で~す。』って、やってみたかったなぁ。」
所詮、ないものねだりなのよね。
「それに、あんなヤツと幼馴染でいたって、いいことなんてありゃしないって。」
「そお?西野くん、かっこいいじゃん。」
「なっち目ぇ悪!あんなの、リアルタラちゃん以外の何ものでもないわ。」
「・・・タラちゃん?なにそれ。」
「ん?あ・・・ごめん、忘れて。」
このネタ、あいつめちゃめちゃ嫌がるのよね。
人生最大の汚点なのかも。
今でこそ、あんなに大きくなったけど、わたし、あいつがず~~っとチビだったのを知ってる。
名前をもじって、「タラちゃん」って呼ばれてたことも。
小学校の時、発表会で『サザエさん』の劇をやり、平がタラちゃん役を演じた時、あまりにもはまりすぎて大爆笑したわ。
小学校からの友達は、いまだにタラちゃんって呼ぶもんね。
「いいなあ。思い出もいっぱいで。」
「そりゃ、共通の思い出もあることはあるけど、何を思い出してもあいつがいるってのはどうも・・・。」
わたしは苦い顔をしてみせた。
菜摘とわたしは一緒に吹奏楽部に入った。
ほぼ毎日、放課後に練習がある。
授業が終わったわたしたちが向かったのは、校舎の一番上にある音楽室。
吹奏楽部の部室はその手前にあるが、立ち寄らずに直接音楽室に入る。
「おはよーございまーす。」
先輩に挨拶して、置いていた楽器を取り、練習を開始する。
ここは初心者が多く、中学からやっていたわたしは、先輩に混じって練習させてもらっている。
このサックスだって、自分のだもんね。
菜摘はホルン。
彼女も経験者で、MY楽器で練習している。
「北島さ~ん、ちょっと・・・。」
部長からお呼び出し。
「なんですか?」
「今度の日曜日、運動部の応援隊行ってくれない?」
「あ、でも、あれって、二年生が行くんじゃ・・・。」
「そうなんだけど、アルト二人必要なんだ。二年でできる子一人だし、三年に行かせるわけにいかないでしょう?」
「それもそうですね・・・。」
ああ、めんどくさいなあ。
正直、運動音痴のわたしはスポーツに興味がない。
「大丈夫、うちの水球部あんまり強くないから、すぐ終わるんじゃないかな。」
ええ?水球?
・・・ますます行きたくない・・・。
プールサイドでむさい男の裸なんて見たくないよ~。
「先輩吹けませんでした?」
「あ、俺も行くよ。付き添いで。」
なんじゃそりゃ。
「勝っちゃったら、どうなるんですか?」
「そん時は、次回もよろしくね。」
「えええ~~。」
わたしは思いっきり不満の声を上げた。
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どこまで行っても、あいつはわたしについて来るつもりなの?
この縁、断ち切りたいんですけど。
なっちこと東山菜摘は、わたしとあいつの関係をあれこれ詮索したあと、「幼馴染かぁ・・・。」とうらやましそうに呟いた。
「私んち、転勤族だったから、幼馴染なんてできなかったなあ・・・。」
「なっちこそ、うらやましいな。一度でいいから、『転校生の北島で~す。』って、やってみたかったなぁ。」
所詮、ないものねだりなのよね。
「それに、あんなヤツと幼馴染でいたって、いいことなんてありゃしないって。」
「そお?西野くん、かっこいいじゃん。」
「なっち目ぇ悪!あんなの、リアルタラちゃん以外の何ものでもないわ。」
「・・・タラちゃん?なにそれ。」
「ん?あ・・・ごめん、忘れて。」
このネタ、あいつめちゃめちゃ嫌がるのよね。
人生最大の汚点なのかも。
今でこそ、あんなに大きくなったけど、わたし、あいつがず~~っとチビだったのを知ってる。
名前をもじって、「タラちゃん」って呼ばれてたことも。
小学校の時、発表会で『サザエさん』の劇をやり、平がタラちゃん役を演じた時、あまりにもはまりすぎて大爆笑したわ。
小学校からの友達は、いまだにタラちゃんって呼ぶもんね。
「いいなあ。思い出もいっぱいで。」
「そりゃ、共通の思い出もあることはあるけど、何を思い出してもあいつがいるってのはどうも・・・。」
わたしは苦い顔をしてみせた。
菜摘とわたしは一緒に吹奏楽部に入った。
ほぼ毎日、放課後に練習がある。
授業が終わったわたしたちが向かったのは、校舎の一番上にある音楽室。
吹奏楽部の部室はその手前にあるが、立ち寄らずに直接音楽室に入る。
「おはよーございまーす。」
先輩に挨拶して、置いていた楽器を取り、練習を開始する。
ここは初心者が多く、中学からやっていたわたしは、先輩に混じって練習させてもらっている。
このサックスだって、自分のだもんね。
菜摘はホルン。
彼女も経験者で、MY楽器で練習している。
「北島さ~ん、ちょっと・・・。」
部長からお呼び出し。
「なんですか?」
「今度の日曜日、運動部の応援隊行ってくれない?」
「あ、でも、あれって、二年生が行くんじゃ・・・。」
「そうなんだけど、アルト二人必要なんだ。二年でできる子一人だし、三年に行かせるわけにいかないでしょう?」
「それもそうですね・・・。」
ああ、めんどくさいなあ。
正直、運動音痴のわたしはスポーツに興味がない。
「大丈夫、うちの水球部あんまり強くないから、すぐ終わるんじゃないかな。」
ええ?水球?
・・・ますます行きたくない・・・。
プールサイドでむさい男の裸なんて見たくないよ~。
「先輩吹けませんでした?」
「あ、俺も行くよ。付き添いで。」
なんじゃそりゃ。
「勝っちゃったら、どうなるんですか?」
「そん時は、次回もよろしくね。」
「えええ~~。」
わたしは思いっきり不満の声を上げた。
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綾部 叶多
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