超自己満足小説
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たった今、話題になっていた人が立っているのを見たとき、なんだか恥ずかしくなって顔が熱くなった。
「なんですか?部長。」
話を聞かれていたわけじゃないよね。
「今、ちょっといい?」
部長はにこにこといつものように笑って、わたしに封筒を差し出した。
「こないだはお疲れさま。これ、お礼も兼ねて。」
「なんですか?これ。」
受け取ってひらひらと振って見せた。
まさか、手紙・・・?
さっき菜摘の言ったことを思い出して、顔が熱くなる。
「ラヴレターじゃないよ、残念だけど。」
部長はニヤニヤと笑って、わたしの顔を覗きこんだ。
「それはまたのお楽しみに。で、これは映画のチケットなんだけど、北島さん、こないだ映画鑑賞が趣味って言ってたでしょ?良かったらどうかなって。」
「はあ・・・。開けてもいいですか?」
「どうぞ。」
開くと、言ったとおり中からチケットが二枚出てきた。
「先行のだから、まだ見てないはずだよ?」
「あ、はい・・・。」
どうしよ、アクションものはちょっと・・・。
でもせっかくの好意を無駄にするのもなあ、とわたしが躊躇っていると、脇から平がさっと封筒を取り上げた。
「ちょっと!!なにすんのよ!!」
「・・・ふ~~ん。」
勝手に見ないでよ。
「おまえ、アクションもの嫌いじゃん。」
ちょっと、余計なこと言わないでよ!
「え?そうなの?北島さん。」
「こいつ、外人の顔がみんな同じに見えちゃうらしくて、展開速いとついていけなくなるんですよ。」
「そうなんだ・・・悪かったね。」
ああ、先輩、そんな・・・。
「だいじょぶです!ぜんぜん平気です。こいつの言うことなんて、気にしないでください!」
平を教室に押し込め、扉をピシャッと閉めた。
「行きます、行きましょう!いつですか?」
「あ、そう?じゃあ、今度の土曜日に・・・。」
「はい、分かりました!楽しみにしてますね!」
平の手を引っ張って、屋上へ続く階段の踊り場に連れて来た。
「ちょっと!どういうつもりよ!!」
「なにが?」
「なにがってあんた・・・。」
わたしは、何から話したらいいか分からなくなっているくらい、ムカついてた。
「人が話してるのに邪魔すんじゃないわよ!部長に対して、失礼じゃないのよ!部に戻れなくなったらどうしてくれんのよ!なっちのことだって・・・。」
わたしは一瞬言いとどまった。
「・・・なんで断んのよ。」
「あいつに聞いたんじゃねえの?」
「聞いたけどさ・・・。なにかっこつけてんのよ。」
「おまえの友達だから。」
「はあ?」
「断った理由だろ?おまえの友達だからだよ。」
「なにそれ?失礼しちゃう~~。なんでそんな理由でことわんのよ!そりゃ、なんでも筒抜けになったりしてイヤだろうし、もし別れたりしたらやりにくいだろうけど・・・。」
平の顔をそっと見上げた。
平は心底嫌そうな顔をしていた。
「だからって、そんな理由で振るなんて・・・。」
「振ってねぇし。つきあえねぇって言っただけだし。」
平はさらに不機嫌な顔をして、言った。
「じゃあ、いいんだな。おれが東山と付き合っても。」
「も、もちろんよ。」
ふんっと、なんか鼻で笑われた。
ほんっとに!感じ悪い!!
「ちょっと、どこ行くのよ、まだ話し終わってな・・・」
「さっきの返事、訂正してくんだよ。」
あ、そう。
わたしは振り上げた手の行き場をなくしたまま、階段を下りていく平の後姿を見送った。
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「なんですか?部長。」
話を聞かれていたわけじゃないよね。
「今、ちょっといい?」
部長はにこにこといつものように笑って、わたしに封筒を差し出した。
「こないだはお疲れさま。これ、お礼も兼ねて。」
「なんですか?これ。」
受け取ってひらひらと振って見せた。
まさか、手紙・・・?
さっき菜摘の言ったことを思い出して、顔が熱くなる。
「ラヴレターじゃないよ、残念だけど。」
部長はニヤニヤと笑って、わたしの顔を覗きこんだ。
「それはまたのお楽しみに。で、これは映画のチケットなんだけど、北島さん、こないだ映画鑑賞が趣味って言ってたでしょ?良かったらどうかなって。」
「はあ・・・。開けてもいいですか?」
「どうぞ。」
開くと、言ったとおり中からチケットが二枚出てきた。
「先行のだから、まだ見てないはずだよ?」
「あ、はい・・・。」
どうしよ、アクションものはちょっと・・・。
でもせっかくの好意を無駄にするのもなあ、とわたしが躊躇っていると、脇から平がさっと封筒を取り上げた。
「ちょっと!!なにすんのよ!!」
「・・・ふ~~ん。」
勝手に見ないでよ。
「おまえ、アクションもの嫌いじゃん。」
ちょっと、余計なこと言わないでよ!
「え?そうなの?北島さん。」
「こいつ、外人の顔がみんな同じに見えちゃうらしくて、展開速いとついていけなくなるんですよ。」
「そうなんだ・・・悪かったね。」
ああ、先輩、そんな・・・。
「だいじょぶです!ぜんぜん平気です。こいつの言うことなんて、気にしないでください!」
平を教室に押し込め、扉をピシャッと閉めた。
「行きます、行きましょう!いつですか?」
「あ、そう?じゃあ、今度の土曜日に・・・。」
「はい、分かりました!楽しみにしてますね!」
平の手を引っ張って、屋上へ続く階段の踊り場に連れて来た。
「ちょっと!どういうつもりよ!!」
「なにが?」
「なにがってあんた・・・。」
わたしは、何から話したらいいか分からなくなっているくらい、ムカついてた。
「人が話してるのに邪魔すんじゃないわよ!部長に対して、失礼じゃないのよ!部に戻れなくなったらどうしてくれんのよ!なっちのことだって・・・。」
わたしは一瞬言いとどまった。
「・・・なんで断んのよ。」
「あいつに聞いたんじゃねえの?」
「聞いたけどさ・・・。なにかっこつけてんのよ。」
「おまえの友達だから。」
「はあ?」
「断った理由だろ?おまえの友達だからだよ。」
「なにそれ?失礼しちゃう~~。なんでそんな理由でことわんのよ!そりゃ、なんでも筒抜けになったりしてイヤだろうし、もし別れたりしたらやりにくいだろうけど・・・。」
平の顔をそっと見上げた。
平は心底嫌そうな顔をしていた。
「だからって、そんな理由で振るなんて・・・。」
「振ってねぇし。つきあえねぇって言っただけだし。」
平はさらに不機嫌な顔をして、言った。
「じゃあ、いいんだな。おれが東山と付き合っても。」
「も、もちろんよ。」
ふんっと、なんか鼻で笑われた。
ほんっとに!感じ悪い!!
「ちょっと、どこ行くのよ、まだ話し終わってな・・・」
「さっきの返事、訂正してくんだよ。」
あ、そう。
わたしは振り上げた手の行き場をなくしたまま、階段を下りていく平の後姿を見送った。
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綾部 叶多
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