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超自己満足小説
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中庭に出て、守は和希をベンチに座らせた。
「渉くん・・・だっけ、守の弟。元気?」
「多分ね。正月に会った以来だから。」
守は和希の隣に腰を下ろした。
「俺もお正月に雅希に会ったよ。大きくなってたなあ・・・。」
確か母親が違うんだっけ?守は思いながら聞いた。
「雅希くん、いくつになる?」
「もうすぐ5歳。あれくらいって成長早いよね。」
「そうだね。・・・お父さんには会えた?」
「ううん、会えなかった。義母さまはいたけど、俺に会いたくないのか、出てきてくれなかった。・・・俺は、居ちゃいけないんだね。」
「そんなことないよ。」
守はやんわりと否定した。
「居ちゃいけないなんてことはない。」
「・・・そうかな。」
守は笑顔で肯定した。
「お風呂、入れてよかったよ。ありがとう。旅行も、無理言っちゃってごめんね。」
「いいんだよ。和希には、もっとわがままを言ってもらいたい。俺に出来ることなら、すべて叶えてあげたいから。」
そう言いながら、守は和希の頭に手を載せ、まだ湿り気の残る髪をつまんだ。
「だからもっと、俺を頼っていいんだよ。」
ホントはね、もっと触れたい、触れたい、抱きしめたい。
でも、それが叶わないのなら。
せめて隣にいる権利を、くれないか。
「湯冷めしちゃうね、行こうか。」
守は立ち上がると和希の手をとって、部屋に向かって歩き出した。

班別の自由行動で、宇治まで足を延ばした和希たちは、全体の集合時間の5時までバラバラに行動することにした。
「で、どうする?」
「和希、何がしたい?」
「え?俺?」
「・・・腹減った。」
「お前には聞いてねえ。」
「じゃあ樋口、何食べたい?」
「そうだなあ・・・夕飯すき焼きってあったし、あんまり重くないものを・・・。」
「じゃあ、お茶にしよう!お団子食べたい!」
和希の提案で平等院近くの団子屋に入る。
「うわっ、苦げえ!」
「これがだめなら、濃茶なんて飲めないね。」
「純は甘党だからな。コーヒーにも砂糖いっぱい入れるし。」
「へーえ、お子ちゃまじゃん。」
「うるせえ、お前に言われたくない。」
「はい、お団子。樋口、ケンカ売らないで。純も、ほら。」
と言って団子を渡す。
「和希はお茶点てられるの?」
「う~ん、多分。忘れちゃってるかも。裏だったけどね。」
「俺も裏だったよ。」
「??うら??なにそれ?」
「裏千家のこと。」
「・・・ふ~ん。」
守が「そろそろ」と言って立ち上がる。
「電車の時間もあるし、行こうか。」
4人は揃って店を出た。



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プロフィール
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綾部 叶多
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非公開
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当ブログについて

はじめまして。
こちらは綾部叶多が管理する妄想小説ブログです。
管理人の萌えツボをひたすら刺激するためだけの話がおいてあります。
管理人はリアル生活において低血糖なため、糖度が若干高めになっております。
お口に合いますか存じませんが、よろしければどうぞご賞味くださいませ・・・。




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