超自己満足小説
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わたし、バカみたいに口をぽかんと開いたまま。
「だから、今日言うつもりはなかったって言ったんだよ。」
先輩は笑って言った。
「驚かせたみたいだね、ごめんね。なんだかちょっと、あせってしまったみたいだ。返事はいつでもいいよ。待ってるから。」
先輩は、そろそろと言って立ち上がり、わたしを送ってくれると言った。
乗り越しになるのに、わたしの駅まで来てくれた先輩を、改札のところで引き止めた。
「ここでいいです。」
「送っていくのに。」
「いえ、ここで。」
かたくなに拒否する私に、先輩は少し困った顔をしていたが、やがて引き下がってくれた。
「じゃあ、今日はここまで。次回は送らせてね。」
ははは、と作り笑いのようになってしまったわたしを、先輩はいたわるように見ていた。
「それじゃあ、月曜日に。」
「はい。」
改札を抜けて振り返ると、先輩はまだこっちを見ていた。
軽く手を振ってみると、嬉しそうに笑顔になって手を大きく振ってくれた。
そのまま振り返らず自転車置き場に向かう。
「はあ~~。」
なんだか、夢を見ているようだった。
実感がわかないの。
菜摘はあんなこと言ってたけど、まさか本当に先輩が告ってくると思わなかったんだもん。
「はあ~~。」
何度目になるか分からないため息をこぼしながら、ちんたらとペダルをこいでいた。
スカートの裾が捲れて、ふっとい足が丸見えになった。
「うひゃあ。」
誰にも見られてないわね。
中学の時、憧れの先輩を追いかけていたけど、その先輩が卒業してからは、好きな人ってずっといなかった。
なんだか、久しぶりに男の子を意識しちゃってるって感じ。
先輩のシャツの香りが、まだ鼻の中に残ってるみたいだった。
明日、伸ばしっぱなしの髪を切りに行ってこよう。
お母さんに頼んで、新しい服を買ってもらおう。
なんとなくだけど、ふわふわした気分になっていた。
「ただいま~。」
家に帰って、さっそくおねだりしようと台所にかけこんだ。
「お母さん、あのね・・・」
「あら、お帰り。」
う~ん、なんとなくご機嫌うるわしい気が。
これならおねだり成功かも?
「ただいま。あのね・・・」
「平くんと一緒だったんでしょ?」
「・・・は?」
なんで平が出てくんのよ。
「やだぁ、隠さなくたっていいのよ~。さっきスーパーで涼ちゃんと会ってね、平くんも出かけたって言うから・・・」
まったく。
親同士が仲良いと、こう筒抜けになっちゃうのがヤダね。
「ちょっと待ってよ。だからって、なんで一緒だと思っちゃうわけ?」
「幸が珍しくスカートなんてはいて出かけるからよ。デートなんじゃなかったの?」
「部活の先輩と映画に行っただけだよ。」
「なぁ~んだ。」
お母さんはあからさまにがっかりした。
「じゃあ、平くんはどこに行ったのかしらねえ・・・。」
「彼女とデートなんじゃないの?」
「え?平くん、彼女いるの?」
ええ、いますとも。菜摘ちゃんという、かわいい彼女がね。
でも、教えてやるもんか。
「知~らない。」
わたしは台所から逃げるようにして出た。
あ、しまった。
おねだりする予定だったのに~!!
平のバカ!!
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「だから、今日言うつもりはなかったって言ったんだよ。」
先輩は笑って言った。
「驚かせたみたいだね、ごめんね。なんだかちょっと、あせってしまったみたいだ。返事はいつでもいいよ。待ってるから。」
先輩は、そろそろと言って立ち上がり、わたしを送ってくれると言った。
乗り越しになるのに、わたしの駅まで来てくれた先輩を、改札のところで引き止めた。
「ここでいいです。」
「送っていくのに。」
「いえ、ここで。」
かたくなに拒否する私に、先輩は少し困った顔をしていたが、やがて引き下がってくれた。
「じゃあ、今日はここまで。次回は送らせてね。」
ははは、と作り笑いのようになってしまったわたしを、先輩はいたわるように見ていた。
「それじゃあ、月曜日に。」
「はい。」
改札を抜けて振り返ると、先輩はまだこっちを見ていた。
軽く手を振ってみると、嬉しそうに笑顔になって手を大きく振ってくれた。
そのまま振り返らず自転車置き場に向かう。
「はあ~~。」
なんだか、夢を見ているようだった。
実感がわかないの。
菜摘はあんなこと言ってたけど、まさか本当に先輩が告ってくると思わなかったんだもん。
「はあ~~。」
何度目になるか分からないため息をこぼしながら、ちんたらとペダルをこいでいた。
スカートの裾が捲れて、ふっとい足が丸見えになった。
「うひゃあ。」
誰にも見られてないわね。
中学の時、憧れの先輩を追いかけていたけど、その先輩が卒業してからは、好きな人ってずっといなかった。
なんだか、久しぶりに男の子を意識しちゃってるって感じ。
先輩のシャツの香りが、まだ鼻の中に残ってるみたいだった。
明日、伸ばしっぱなしの髪を切りに行ってこよう。
お母さんに頼んで、新しい服を買ってもらおう。
なんとなくだけど、ふわふわした気分になっていた。
「ただいま~。」
家に帰って、さっそくおねだりしようと台所にかけこんだ。
「お母さん、あのね・・・」
「あら、お帰り。」
う~ん、なんとなくご機嫌うるわしい気が。
これならおねだり成功かも?
「ただいま。あのね・・・」
「平くんと一緒だったんでしょ?」
「・・・は?」
なんで平が出てくんのよ。
「やだぁ、隠さなくたっていいのよ~。さっきスーパーで涼ちゃんと会ってね、平くんも出かけたって言うから・・・」
まったく。
親同士が仲良いと、こう筒抜けになっちゃうのがヤダね。
「ちょっと待ってよ。だからって、なんで一緒だと思っちゃうわけ?」
「幸が珍しくスカートなんてはいて出かけるからよ。デートなんじゃなかったの?」
「部活の先輩と映画に行っただけだよ。」
「なぁ~んだ。」
お母さんはあからさまにがっかりした。
「じゃあ、平くんはどこに行ったのかしらねえ・・・。」
「彼女とデートなんじゃないの?」
「え?平くん、彼女いるの?」
ええ、いますとも。菜摘ちゃんという、かわいい彼女がね。
でも、教えてやるもんか。
「知~らない。」
わたしは台所から逃げるようにして出た。
あ、しまった。
おねだりする予定だったのに~!!
平のバカ!!
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綾部 叶多
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