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超自己満足小説
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5月に入ると、浮き足立っていた新入生も落ち着いてきて、高校生活もリズムってヤツができてきた。
清学のバスケ部は強いってほどじゃないから、一年生の俺は指示されたメニューをこなすと、あとは特にすることがない。
だいぶ暑くなってきたので、汗を大量にかいた俺は体育館の外に出て、水道のあるところへ急いだ。
グラウンドで、サッカー部が練習しているのが見える。
頭から水をかぶり、濡れた頭をぶんぶんと振っていると、「冷たっ!」という声がした。
「あ、わりい・・・」
振り返ると、顔をしかめた九条和希が、そこに立っていた。
「いいよ、ちょっとかかっただけだから。」
彼はそう言いながら、蛇口に手を伸ばして水を出した。
「あっついねー。もう夏みたいだ。」
のどを潤してから、空を見上げて笑う。
なんと返せばいいのやら、悩んでいると、また後ろから別の声がした。
「和希、お待たせ。」
・・・日下か。
あれから、この男のうわさを耳にした。
次期生徒会長はほぼ決まりで、校内一の力があり、九条に手を出した三年の先輩を退学に追いやったとか。
一見温厚そうに見えて、おっかないのかよ。
こうしてみると、美男美女のカップルに・・・っておい、男同士だろって。
懊悩する俺を置いて、二人はその場を立ち去った。

隣のクラスと、時々合同で体育をやるときがある。
その日は1・2組合同で、体育の日だった。
体育館チームはバスケかバレーを選択できる。
俺は迷わず、バスケを選んだ。
(バレーのルール、わかんねえし。)
軽くドリブルしていると、九条が近寄ってきた。
「ねえ、確かバスケ部だよね。」
九条に話しかけられて、どぎまぎしてしまう。
「そ、そうだけど?」
「こっちのチーム、バスケ未経験者ばっかりなんだ。ルール解かってないけど、許してくれる?」
にっこりと見上げられて、ますますキョドってしまった。
「し、試合じゃねえんだし、いいよ別に。」
「そうだね、ありがとう。・・・ねえ、大丈夫だってさ。」
九条は自分のチームに戻って、作戦会議を始めた。
・・・な、なんなんだ、あの殺人的カワイさは!!
俺たちのチームは勝つことには勝ったが、九条がボールを取るたび俺が手を出せなくなるので、ギリギリの試合展開となった。

九条には、いつも日下か宮城がくっついている。
まるで姫を守るナイトのようだ。
だからなかなか個人的に話しかけづらい。
それでもなんとなく俺のことを覚えてくれているのか、廊下で会った時なんかに挨拶をするようになった。
「よお。」
俺、さりげなくね?
「おはよ、樋口。」
おお、名前呼んでくれた。
「そうだ。樋口、球技大会何に出るの?」
「よくぞ聞いてくれました。俺はサッカー。」
「へえ。バスケじゃないんだ。」
「部に入ってるやつは一人しか出ちゃだめなんだってさ。三崎に譲った。」
「よかったー。俺バスケなんだ。樋口が出たら、勝ち目無いからね。」
「三崎もけっこううまいぞ?」
話しながら教室に向かう。
「ん。でも樋口のほうが背高いしね。」
そう言って、大きな目をきょろっと動かし、上目遣いで見上げてくる。
か、かわいい・・・。
『樋口』じゃなくて、『かなめ』って呼んでほしい・・・。
なんて、邪まな俺の心をよそに、九条は「じゃあね」と微笑みながら一組の教室に入っていった。

そして球技大会。
「バスケ部だから偵察」と自分に言い訳しながら、体育館に入り、こっそり九条の応援をする。
こらてめえ、九条にぶつかってんじゃねえ!
三崎!手加減しろよ!!
九条は運動神経がよくて思ったより活躍し、何度かシュートも決めていた。
一組が勝って俺は悔しそうな振りをしながらも、九条の嬉しそうな顔を眺めていた。
「樋口!二回戦始まるぞ!!」
おお、そうだった。あわてて体育館を後にして、グラウンドへ向かった。

一回戦は余裕で勝てたんだけど。
二回戦は一組とか。
一組きたねえぞ。宮城入れるなんて卑怯じゃん。
こいつサッカー部入ってたんだろ?
噂だけど、すげえ選手だったって。
宮城に睨みをきかせつつ、俺は真向かいに立った。
「・・・最近、和希と仲いいらしいじゃねえか。」
「悪いかよ。」
なんだこいつ、妬いてんのか?
「いや・・・。」
宮城はにやりと笑うと、俺をしっかり見て言った。
「仲良くしてやってくれ。頼む。」
ん??なんか頼まれちゃったけど??
俺が首をかしげている間に、試合が始まってしまった。

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綾部 叶多
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当ブログについて

はじめまして。
こちらは綾部叶多が管理する妄想小説ブログです。
管理人の萌えツボをひたすら刺激するためだけの話がおいてあります。
管理人はリアル生活において低血糖なため、糖度が若干高めになっております。
お口に合いますか存じませんが、よろしければどうぞご賞味くださいませ・・・。




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