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超自己満足小説
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樋口に彼女ができたらしいよ。
尾崎が、駅前で女の子とお茶しているのを見た、という情報を流した。
「噂じゃねーの?」
「または、ねーちゃんとか。」
なんで誰も信じないんだろ。
そろそろ和希の耳にも入る頃だろう。
樋口は決意を固め、和希の肩を叩いた。

「へーえ、予備校で・・・。」
和希は自分のことのように喜んでくれた。
「たまたま帰りの電車が一緒でさあ。聞いたら、家もすぐ近くだって言うから、お茶していかね?って声かけてみたんだ。」
「なんていう名前なの?」
「真奈美。佐藤真奈美ってゆーの。今度会ってくんない?」
「もちろん。」
和希は嬉しそうににっこりと笑う。
くそっ、かわいいなぁ・・・。
樋口は少しだけ、暗い気持ちになった。
・・・かなわない恋なんて、しない方がいいに決まってる。
真奈美と付き合ってよかったと、早く言えるようになりたい、と樋口は思った。

「そうか、ウソじゃなかったんだな。」
「だからなんで信じてあげないの。」
和希はあきれた声を出した。
樋口から報告を受けたと、純に話したところだった。
「だってあいつ・・・、諦めたんだな。」
「なにを?」
「お前のことだよ。」
「な・・・なに言ってんだよ。友達なのに?」
「ああ、男だと思ってるからな。諦めたんだろ。」
純はふっと笑うと、和希に向き直って言った。
「そろそろ、言ってもいいんじゃねえか?」
「俺のこと?」
「ああ。ずっと考えていたんだが・・・。」
そう言いながら、純は和希を引き寄せて、自分の膝の上に座らせた。
「お前のことを守ってやるのに、俺一人じゃ限界があるってな。」
指先で和希の髪を梳く。
「池田のときは何とかなったが、あんな事がまたあっても、助けてやれる保障がねえ。俺が見えてるトコならいいが、そうじゃない時の方が多いからな・・・。」
露わになった首筋に唇を寄せる。
「もうひとりくらい、“目”があった方がいいだろ?」
「樋口に頼るの?本当のことを打ち明けて?」
「そうだ。あいつなら、大丈夫だろ。」
和希があれこれ悩んでいる顔をしている。
今さら、という気もするのは分かるが、純にとっては和希の安全の方が大事なのだ。
「あのさ・・・俺なら大丈夫だけど・・・。」
「だめだ。心配でならない。俺が合宿やら試合やらでいない時はどうするんだ?」
そうだ。これまでは守がいたけれど、今はいないんだ・・・。
二人同時に守のことを思い出していた。
だが、お互い口にしない。
もし、密かに連絡を取り合っていたなら・・・。
名を出すのもためらわれた。
実際には二人とも、守とは音信普通になっているのだが、問い質すことはできなかった。


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プロフィール
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綾部 叶多
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非公開
自己紹介:
当ブログについて

はじめまして。
こちらは綾部叶多が管理する妄想小説ブログです。
管理人の萌えツボをひたすら刺激するためだけの話がおいてあります。
管理人はリアル生活において低血糖なため、糖度が若干高めになっております。
お口に合いますか存じませんが、よろしければどうぞご賞味くださいませ・・・。




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