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超自己満足小説
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わたしたちは、ふつーに仲良し。
って、付き合い始めの二人なら、誰でもそうなのかな・・・。

いつものように、部活を終えて帰る途中。
ちょっと本屋に寄り道しただけなのに、こんなに遅くなっちゃった。
暗くなってしまったもんだから、先輩が家まで送るといってくれた。
わたしは、たまには甘えちゃおうかな~って、送ってもらうことにしたんだ。
ここまで来るのは二度目だ。
いつも駅で別れるし、自転車だからすぐに着いちゃうし。
でも今日は先輩と一緒だから、自転車を押しながら歩いた。
家が近づくと、なんとなくゆっくりした歩調になる。
わたしの他愛ない話を微笑みながら聞いてくれるなんて、先輩は優しいなあ・・・。
それもちゃんと聞いててくれてるのか、相槌も打ってくれてるし。
一つしか違わないのに、あいつと比べたらずっとオトナよ。
あの、水球バカとは違うわ。

先輩が急に立ち止まったので、わたしも足を止めた。
先輩がずっと遠くを見つめてる。
「どうしたんですか?」
わたしの声ではっとした先輩がこちらを向いた。
「なにか・・・ありました?」
「ううん、なんでもないよ。」
先輩の視線の先を見ようとするわたしを遮るように、わたしの前に立ちはだかった。
「危ないですよ、前に出ちゃ。」
離していた右手をハンドルに戻し、わたしは自転車の向きを変えようとした。
「幸ちゃん・・・」
ハンドルを握っていたわたしの手の上に、先輩の手が載せられた。
「あ、大丈夫ですよ、重くないですから。」
先輩は黙ったまま、重ねた手をさらに握ってきた。
「あの・・・先輩?」
先輩が不意に立ち止まったので、わたしは上を見上げて先輩の顔を覗こうとした。
ちょうど電燈と電燈の間、暗くて表情がよく分からない。
先輩は、わたしの頬に手を添えて、ゆっくりと顔を近づけてきた。
さすがのわたしも何をされるのか分かったけど、自転車が倒れちゃうから手を離すわけにいかなかったんだ。
「ひゃっ、せんぱ・・・」
ひんやりとした感触が唇に伝わり・・・
あの!あの!
ここ、路上なんですけど!!
公道なんですけど!!
でもってわたし、初めてなんですけど!!!
「はっ・・・」
「好きだよ。・・・幸ちゃんはどう思ってるか知らないけど。」
ん?また意味不明発言の先輩。
「遅くなっちゃったし、俺の評価下げたくないしね。」
先輩は笑みを浮かべて、わたしの手を離した。

さすがに家のまん前まで来てもらうのは遠慮した。
だって、まだお母さんに話してないし。
それに今日は火曜日だから、お父さんがいるはずだ。
キスされたこともあって、なんとなく後ろめたい気がして。
わたしは1本手前の路地で、先輩にさよならをした。

自転車を押したまま、ゆっくり家のほうに進んだ。
余韻に浸っている?
でも、そんな感じじゃなかった。
なんだか、悪いことをしたあと、見つからないようにドキドキしている感じ。
せっかくのファーストキスなのに、なんでこんな気持ちになっちゃったんだろう・・・。
ふと、家の前に誰かが立っているのが分かった。
「何してんのよ、人んちの前で。」
「・・・ああ、ちょっとな・・・」
わたしは平の顔を見ないで、自転車を留めた。
「あんたちょっとジャマよ、どけてくれない?つか何してんのよ、めちゃめちゃ怪しいよ?」
わたしは平を避けて、家に入ろうとした。
ぐいっと腕を掴まれた。
「いた!何?」
思わず振り返って、平を見上げた。
「おまえ・・・あいつに何された?」
「何って・・・。やだ平、見てたの??やっらし~。」
平の指が腕に食い込んだ。
「いた~い、離してよ、マジで痛い・・・」
「何されたんだよ。」
「なによ、それがあんたに関係あるわけ?ないよね?あんただってすりゃあいいじゃないの。」
「あ??」
「ああそうだ、あんたたちいったいどうなってんのよ?なっちは何にも教えてくれないし・・・」
なぜか知らないけど、平の力が抜けた気がして、わたしは腕を振りほどいた。
「こっちはね、あんたとは比べ物にならないくらい、大人の人と付き合ってるんですよ~。ほっといてちょうだいな。ではでは。」
バタンッと勢いよくドアをあけて、家の中へ飛び込む。
ご近所さんに見られるより、親に見つかるより、平に見られてたっていうのが許せなかった。
「もう、サイテ~。」
布団に潜りこんで、浮かんでくる顔を消そうとしていた。
なぜか先輩の顔は、思い出せなかった。


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プロフィール
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綾部 叶多
性別:
非公開
自己紹介:
当ブログについて

はじめまして。
こちらは綾部叶多が管理する妄想小説ブログです。
管理人の萌えツボをひたすら刺激するためだけの話がおいてあります。
管理人はリアル生活において低血糖なため、糖度が若干高めになっております。
お口に合いますか存じませんが、よろしければどうぞご賞味くださいませ・・・。




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