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超自己満足小説
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「遅かったね。」
「まだ起きてたのか。」
消灯ギリギリに帰ってきた純に、和希は声をかけた。
いつもなら、うとうとと眠ってしまっている時間。
だが今日は、珍しく起きて待っていたのだ。
「話があるんだけど。」
「明日で良いだろ。」
そう言って、二階へ上がろうとする。
その純のスウェットの裾を引っ張って、和希は視線を合わせた。
「明日でも良いけど・・・。でもだめ。今話したい。もう先延ばししたくないんだ。」
「・・・なんだよ。」
めんどくさそうに降りてくる。床に胡坐をかいて座り、続きを促す。
「で、なに?」
「サッカーやらないの?」
純は「またその話か」と嫌そうな顔をした。
「こないだも言ったろ。もうやらない。」
「なんで?」
「辞めたから。」
「そうじゃない。辞める理由だよ。」
「だから・・・。」
「基樹って人だけが、理由じゃないよね。」
和希は直球で聞いた。
「うるせえな。お前には関係ねえ。」
「またそれかよ。純はいつも、関係ないとか、お前には分からないとか。そんなの、分かってほしくて駄々をこねているのと一緒だ。」
「な・・・お前、ふざけんな。」
「ふざけてないよ、まじめに話してるよ。純が逃げるからいけないんじゃないか。」
和希の声が次第に大きくなる。
「家のほうも、色々あったって聞いたよ。女遊び始めたのも、そのせいだって。でも、純、ちゃんとお母さんの話聞いたの?」
純は顔を背けている。表情は分からない。
「女の人が子供産むって、本当に大変なことなんだ。命がけなんだ。純のお母さんは、それでも純に生まれてきてほしいって思ったから、純を産んだんじゃないか。」
声が震える。だが和希の言葉は止まらなかった。
「それを何だよ。勝手に産んどいて、なんて言うな!!」
言っていて、次第に視界が歪むのを感じた。
ああ、情けない。涙なんて見せられない。
瞬きすると涙が零れ落ちそうだから、和希はぐっと目を見開いて、純の顔を凝視した。
しばらく睨みあっていた。
根負けしたのは純のほう。
ふいっと目を逸らすと、和希に背を向けて部屋を出て行ってしまった。

「どうした?」
守が入れ代りに入ってきて、和希の顔を覗き込んだ。
途端に目から、大粒の涙がこぼれる。
守はそれを指先で拭いながら、そうっと肩を引き寄せた。
どうしよう、涙が止まらない・・・。
嗚咽を漏らしながら胸に顔を埋める和希を、守は優しく撫で、頭上に唇を落とした。

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プロフィール
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綾部 叶多
性別:
非公開
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当ブログについて

はじめまして。
こちらは綾部叶多が管理する妄想小説ブログです。
管理人の萌えツボをひたすら刺激するためだけの話がおいてあります。
管理人はリアル生活において低血糖なため、糖度が若干高めになっております。
お口に合いますか存じませんが、よろしければどうぞご賞味くださいませ・・・。




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