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超自己満足小説
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「春、だねえ。」
和希は嬉しそうにつぶやいた。
明日からいよいよ新学期だ。
明後日は入学式。
「桜、間に合って良かったねえ。」
目を輝かせながら、頭上の桜を見上げる。
風が強く吹き、花弁が舞い散る。
「わあ・・・!!」
途端、背後から抱き寄せられ、唇をふさがれる。
「!!・・・純!!」
純の胸を押し戻し、真っ赤な顔になって抗議する。
「純のばか!誰かに見られたらどうするんだよ!!」
純はにやりと笑うと、身体を離した。
「行くぞ。」
「あ、待ってよ。」
あわてて追いかける。
桜の並木道が続いていた。

「今年の一年は多いな。」
「豊作豊作♪」
「かわいいマネージャーも入ったし、今年こそ、目指せ全国制覇!」
「毎年言ってねえ?」
サッカー部は大いに盛り上がっていた。
「おい、和希はマネージャーじゃねえぞ。」
「へ?そうなの?」
「ったりめーだ。俺専属。」
「なんだよそれ~、横暴~。」
ぎゃあぎゃあわめく部員たち。
「なになに?」
「純がさー、和希独り占めしようとするからー。」
「あはは。純だめじゃん。俺、サッカーのこと良くわかんないし、みんな何でも言ってね。」
「わーい。やっぱ和希やっさしー。」
にこにこと答える和希。純はやっぱり面白くない。
「眉間にしわ、よってるよ。」
和希はぐりぐりと純の眉間を揉んだ。
「いってえ・・・。お前な・・・、手伝えって言ったけど、そこまでやる必要はないぞ。マネージャーと勘違いしてる奴らがいる。」
「いいよ別に。ヒマだからやらせてって言ったの、俺なんだから。」
守が旅立ってから、放課後何もすることがなくなった和希は、時間をもてあましていた。
かといって、三年になって今さらどこかの部に入るつもりもなかったので、こうして純の所属するサッカー部の手伝いをすることになった。
純としては、目の届くところに置いておきたかっただけなのだが、部員たちは大喜び。
元々いたマネージャーたちに比べて、見栄えのよい和希が入ったことで、浮き足立っていた。

「練習始めるぞ。」
キャプテンになった須山の声で、部員たちがグラウンドに出て行く。それを見送って、和希は部室の掃除を始めた。
「・・・ふう、埃っぽいな・・・」
個人のロッカーは各自にやらせるとして、和希は出しっぱなしになっている書類や器具を片付け始めた。
「と・・・届かない・・・。」
ダンボールにつめた資料を棚の上に載せようとして背伸びをしたが、大きくはない体では届くはずがなかった。
すぅっと、持ち上げていたダンボールが軽くなり、背後から声がした。
「ここでいいんですか?先輩。」
振り向くと、一年の部員がそこに立っていた。
「あ、ありがとう。ごめん、俺チビでさあ。」
和希は笑って一年にお礼を言った。
「ええと。いけだくん、だっけ?」
池田はふっと笑うと答えた。
「覚えてくれたんだ・・・。嬉しいな。池田です。池田尚哉。」
「うん、俺は・・・」
「知ってますよ、九条先輩。」
そう言うと、池田は顔をぐいと近づけてきた。
「ホント、あんた綺麗な顔してるよね・・・。」
「あ、あの、あの・・・」
和希が戸惑っていると、入り口から低い声がした。
「おい、一年。一年はロードワーク出たぞ。・・・早く行け。」
「はーい。」
やれやれ、と言う顔をした純が立っていた。
池田が出て行った後、純はため息をついて言った。
「・・・ったく。目が届くとこにいろって言っただろ。」
「うん・・・。でも、そんなに心配しなくても・・・。」
「いいから、俺の言うとおりにしろ。」
掃除は途中であきらめ、和希は純の後に続いて部室を出た。



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プロフィール
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綾部 叶多
性別:
非公開
自己紹介:
当ブログについて

はじめまして。
こちらは綾部叶多が管理する妄想小説ブログです。
管理人の萌えツボをひたすら刺激するためだけの話がおいてあります。
管理人はリアル生活において低血糖なため、糖度が若干高めになっております。
お口に合いますか存じませんが、よろしければどうぞご賞味くださいませ・・・。




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