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あれから守に会っていない。
もともと選択教科が違うので授業は重ならないし、試験期間になってしまった。
・・・誤解してるかな・・・。
放課後、話しかけようと思ってもすぐにどこかへ行ってしまう。
生徒会の引継ぎやら何やらで、生徒会室にはいつもの倍の生徒がいて、落ち着いて話をできる状況ではない。
かといって、寮で待っていても、どこへ行っているのやら届出済みで消灯ぎりぎりにしか帰ってこない。
・・・避けられてるかもしれない・・・。
そう思い始めると、今度はそのドアをノックすることすらためらわれた。
教室で、樋口たちといつものように他愛ない話をしているときだった。
「そういや、守っていつ発つんだっけ?」
「あーそれ、俺も聞こうと思ってた。和希聞いてない?」
「へ?」
和希はものすごく間抜けな声を発した。
「発つって?」
「え?お前聞いてねえの?守、留学するじゃん。」
樋口が半ばあきれた口調で答えた。
「・・・聞いてない。」
「はあ、なんで言ってねえの?お前には一番に話してると思ったのになあ。」
「・・・。」
困った顔で、樋口の顔を見つめる。
「なんか・・・あった?」
「いや・・・。」
何かあったというほどではない。
でも、明らかに避けられてる。
いくらなんでも、留学することすら言わないなんて・・・。
「・・・どこに行くか、聞いてる?」
「フラ語の教室通ってるって言ってたから、フランスじゃねえの。」
・・・フランス・・・。
「・・・ほんと、何にも聞いてなかったんだな。」
「うん。なんだか最近避けられてて。」
「まじ?守って和希にメロメ・・・じゃなくて、すっげえ仲良いから、なんか意外~。」
そこで授業開始の鐘が鳴り、話は中断された。