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超自己満足小説
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今日も守は遅い。
和希はぎりぎりまで談話室で時間をつぶしていた。
ここなら、外から帰ってくるのがすぐ分かるからだ。
もうすぐ点呼の時間だ。

「あ。」
やっと会えた。
「遅かったね、どこ行ってたの?」
驚いた様子を見せた守は、すぐに笑顔を作ってから答えた。
「ちょっとね・・・。それより和希、こんな時間までなにしてたんだ?」
「待ってたんだよ。」
一瞬、守が困った顔をする。
「学校でも会わないし、ここんとこずっと遅いじゃないか。」
「そうだったね、ごめんね。」
・・・謝るとこが違うだろ。
和希はそう思いながら、切り出し方を模索していた。
「あの・・・・さ。」
「ん?なに?」
「俺、今日聞いたんだけど。」
守はじっと和希を見つめる。
和希も目を逸らすまいと見つめ返す。
「留学、するの?」
「・・・・・」
守の表情は変わらない。
だが、和希には守の瞳が揺らいだ気がした。
「答えてよ。俺、なんにも聞いてない。」
守はそっと目を逸らし、小さく嘆息して言った。
「ごめんね。言う機会がなくて。前から話が出てたんだ。今回が最後のチャンスだからね。」
「前から?」
「そう、前から。進学はするけど、高校卒業したらすぐ会社を手伝わなきゃならないみたいで。」
「・・・そうなんだ。」
「話してなかったのは、ほんと、ごめんね。いろんな手続きやら語学教室行ったりして、忙しかったもんだから。」
「毎日遅いのは、教室通ってたんだ。」
「そうだよ。それと、実家行ったり。保護者の許可も要るしね。」
和希は納得した様子を見せていたが、思い出したように訊ねた。
「いつ、行くの?」
守は一瞬躊躇したそぶりを見せたが、はっきりと答えた。
「2月24日」
「24日って・・・来週じゃない!!」
和希は守に詰め寄った。
「何だよ、何でだよ!!何で言わなかった?俺、なんかした?守に嫌われるようなこと、した?」
「いや・・・。」
「教えてくれたって、俺、反対なんかしなかったよ?ちゃんと応援したよ。こんな、こんな急に・・・。」
「ごめんね・・・。」
守はただ、謝罪の言葉を口にするだけだった。
「・・・どれくらい、行ってるの?」
落ち着きを取り戻した和希が、小さな声で訊ねた。
「とりあえず一年・・・だけど、向こうで進学できたら5・6年くらいかな・・・」
「そんなに・・・。でも、手紙とかくれるよね。メールでもいいし。・・・待ってるから。」
「ああ。」
守はいつもどおりの笑顔を見せた。
しかし、和希はその顔を見ていられなくなり、目を背けた。


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プロフィール
HN:
綾部 叶多
性別:
非公開
自己紹介:
当ブログについて

はじめまして。
こちらは綾部叶多が管理する妄想小説ブログです。
管理人の萌えツボをひたすら刺激するためだけの話がおいてあります。
管理人はリアル生活において低血糖なため、糖度が若干高めになっております。
お口に合いますか存じませんが、よろしければどうぞご賞味くださいませ・・・。




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