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超自己満足小説
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思ったよりも面倒見の良い純は、慣れない和希を連れて行動した。
起床から消灯時間まで、二人はほぼ一日中一緒に行動するのだ。
さすがにトイレや風呂までは一緒に行かなかったが。

寮の一階にある大浴場は22時で終わってしまう。大きさに余裕はあるが、寮生50人が入ることを考えると、のんびり入っていられない。
そこで、各階にシャワー室が付いているので、時間が過ぎたり面倒な人はそこで済ます。24時間OKなので、いつでも利用できる。
和希は主にそこを使わせてもらっている。

別にお風呂が嫌いなわけではない。
ただ、みんなと一緒に入ることができないだけだ。
誰もいないと思って入っても、万一誰かとかち合ってしまっては大変。
退寮どころか、退学になってしまう。

和希のからだは、女なのだ。
だけど、戸籍上は男子。
性転換したわけでも、そういう障害を持っているわけでもない。

旧家の『長男』として生まれたので、父が男子として届け出た。
幼いころは、何も疑わなかった。
裸になって互いの体をじろじろ比べるような友達もいなかったし、英才教育だかで家で専門家に習い、、あまり学校に行かせてもらえなかった。
変化が訪れたのは中学校に入学してから。
さすがにそのころには自分でもヘンだ、と気づき、乳母のしおりに問い詰めた。
「和希様はおじょうさまです。」
涙を流しながら事情を話す乳母を、和希は逆に慰めたりした。
しかし、そんなものすごい事実をいつまでも隠しとおせるわけがなく、許婚(女の子)に婚約を破棄され、怒った父は勘当同然で和希をこの学校に転入させたのだった。

だから、退学になったりしても、帰る場所なんてないんだ。


純とともに行動していると、周りから敬遠されるようだ、と気づいたのは転入してからだいぶ経ってからのこと。
始めは転入生が珍しいのか、他のクラスからも和希の周りに集まってきていたのだが、すぐ隣の席に座っている純が、
「・・・うるせえんだよ・・・。」
と一言発しただけで、だれも周りに寄り付かなくなった。
困惑していた和希が、小さく、
「ありがとう。」
と告げると、
「あんなん、自分で何とかしろ。」
と言って、机に伏した。
だがその声は、それほど迷惑そうには感じられなかった。

何週間かたつと、和希も次第に慣れてきた。
相変わらずぶっきらぼうな純は、「行くぞ」「帰るぞ」などと移動するとき位しか話はしないが、和希を気にかけてくれているようだった。
「だいぶ慣れてきたみたいだね。」
放課後、守が話しかけてきた。
守は、すぐ隣にいた純を見て言った。
「純も、仲良くしてくれてるみたいだしね。」
純は嫌そうに守をぎろっと睨んだ。
守はそれにかまわず、続けて言った。
「最近は、遊んでないみたいじゃない。そろそろ復活する?」
純はさらに不機嫌になって、ため息混じりに言った。
「もうやらねーって言ったろ。」
「いつまでいじけてんだか・・・」
「うるせぇよ。」
心底嫌そうな顔をして、守の言葉を遮った。
きょとんとしている和希を、純がまた「帰るぞ」と言って促した。
「じゃ、また後で。」
守に手を振って、別れた。

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綾部 叶多
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はじめまして。
こちらは綾部叶多が管理する妄想小説ブログです。
管理人の萌えツボをひたすら刺激するためだけの話がおいてあります。
管理人はリアル生活において低血糖なため、糖度が若干高めになっております。
お口に合いますか存じませんが、よろしければどうぞご賞味くださいませ・・・。




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