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超自己満足小説
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理由のわからない凹みかたをしたまま、夜が明けてしまった。
あんまり眠れなかったけど、病気じゃないしもうすぐ定演(定期演奏会)だし、学校には行かなくちゃ、だったので、なんとなくダルい体を奮い起こして、わたしは家を出た。
いつもより一本速い電車に乗ったから、平はいないはずだ。
待ち合わせ場所に着くまで、じっと足元だけを見て、もしいても気付かない振りをしよう、と決めていた。
ていうか、なんでわたしがコソコソしなきゃいけないのよ・・・。
「今日は早かったね、おはよう。」
まともに顔を見ようとしないわたしに先輩は少し困っていたようだけど、それでもいつもと同じように優しく笑ってくれた。

と。
ここまではよかったの。
下駄箱の前で、ばったり会ってしまった。
平はわたしの顔を見るなり近づいてきて、ぐいっと腕を掴み上げた。
「顔色が悪い。帰るぞ。」
「ちょ・・・」
なんで?なんでよ。
わたしの腕を捕まえた平は、駅に向かって歩き出した。
先輩があわてて追いかけてきたけど、
「こいつの様子がおかしいことくらい、気付いてくださいよ。」
なんて、先輩に言い放って。
「やだやだっ。わたし具合なんて悪くないもん。学校行くんだから、離してよ!」
平がすたすたと早足で歩くもんだから、わたしは付いて行くだけでせいいっぱいになってきた。
日ごろの運動不足を、今さらながら感じてみたりして。
平は黙ったまま駅の改札を抜け、帰る方向の電車に乗り込んだ。
ぜえぜえ息を切らしていたわたしは、そこでふうっと大きく息を吐いた。
「はあはあ・・・・・、ちょっと、どういうつもりよ。」
「・・・・・。」
ああ、今から戻っても、もう遅刻だ・・・。
「サボりになっちゃったじゃないの。」
「休んだほうが良い。」
「具合悪くなんてないもん。」
もう一度同じことを言って、空いてる車内のイスに腰掛けると、平はその前に立った。
わたしは知らん顔をしていたが、きっと平は難しい顔で見下ろしているはずだ。
平の勝手さに、だんだんムカついてきた。
いっつもこうやって、わたしを振り回すんだ。
「なんであんた、いっつもジャマばっかりするのよ。」
そうよそうよ。
中学の時の、野球部の先輩の時も3組の三島くんの時も、なぜかいっつも平の影がうろうろしてて、
「カレシいるんじゃん」なんて言われちゃったりして。
だからわたし、男の子とうまくいったことがないんだわ・・・。
ちらっと平を見上げると、意外なことにどことなく哀愁を感じる顔で、窓の外を見ていた。
平・・・。
意外といい顔してんのね。
もてるのも解るわ。
昔の面影は、ほんの少し残っているだけになっちゃったね。
遠くを見つめていた目が、ふっとこちらに向いた。
「・・・なんだ?」
「別に・・・。」
あわてて視線をそらす。
「おまえ・・・。」
「?」
「クマできてる。寝不足だろ。」
「え?クマ??」
鏡を取り出してみたけど、はっきりしたクマがあるわけじゃなかった。
「ないじゃん。」
「ある。いつもと違う、明らかに。」
「そうかなあ・・・。」
確かに、寝不足なのは認めるけど・・・。
「なんでわかんの?」
「さあ・・・。」
平らはまた、窓の外に目を向けた。

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綾部 叶多
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非公開
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当ブログについて

はじめまして。
こちらは綾部叶多が管理する妄想小説ブログです。
管理人の萌えツボをひたすら刺激するためだけの話がおいてあります。
管理人はリアル生活において低血糖なため、糖度が若干高めになっております。
お口に合いますか存じませんが、よろしければどうぞご賞味くださいませ・・・。




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