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超自己満足小説
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放課後、寮への帰り道も守が一緒に歩いてくれた。
守は寮の玄関を開けて、和希に中に入るよう促した。

「部屋は205号室、二階の右奥。同室は・・・純だったな。」
守はちょっと困った顔をした。
「純は・・・って、宮城純って言うんだけど、悪いやつじゃないんだけど。」
そう言って、205のプレートがかかっているドアの前に立って、続けた。
「ちょっと厄介なんだよ。」
和希は言葉の意味が分からずに、守を見つめ返した。
「ちょっとヤケ起こしちゃっててね。・・・おい、純いるか?」
ノックしても返事はない。
「学校にも来てなかったし、今日も遅いかな。」
和希は急に不安になった。
厄介な人と、同室になったものだ。
守はドアを開けて、先に中に入っていった。

意外に片付いた部屋だった。
「こっち半分が和希のスペース。純は二階使ってるみたいだから、和希は下だね。」
どうやら和希は、二段ベッドの一階で寝ることになりそうだ。
部屋に置かれているのは、二段ベッドのほかには机二台と本棚。
二つの机の間に挟むようにして、本棚が置かれていた。
手にしていた鞄を置き、寮について規定や規則を聞いているうちに、ドカッと音がしてドアが開いた。
「・・・?」
眉間にしわを寄せたその男は、和希のの顔をじろり、と睨むように見ると、おそらく自分のと思われる椅子にドカッと腰を下ろした。
守と同じくらいの身長だが、がっしりした体型。
不機嫌そうに机に足を乗せ、椅子を揺らしている。
「なんだ、早かったんだね。」
守が話しかける。
「転入生が来るって、聞いてただろ?クラスも一緒だよ。」
「あ、そ。」
男はちらりと和希に視線を送る。
なんだかちょっと怖そうだけど、まずは自己紹介しなきゃ。
和希は守の背後から出て、男に声をかけた。
「九条和希です。」
にっこり笑って見せた。
怖そうな人だけど、しおりさんに常に笑顔でいるように言われたし。
和希の顔を一瞥して、彼は口を開いた。
「・・・かずき・・・」
「そうです、和希です。よろしく。」
和希は守にされたように、右手を差し出してみせた。
しかし彼は、「あ、そ」とだけ言うと、守に向かって話しはじめた。
「俺さ、面倒とか、見れないから」
「俺がフォローはする。だけど寮でのことはお前に任せるよ。」
任せちゃうんですか?この人に?
和希はさらに心細くなった。
「・・・うぜえ・・・」
「そんなこと言うなって。」
和希が戸惑っていると、守が話しかけてきた。
「何かあったら、すぐ呼んで。俺は207だから。」
守はそれじゃ、と言って、出て行ってしまった。

残された二人の沈黙・・・。
「あの・・・宮城・・・くん?」
ああ?と嫌そうに振り返った。やっぱり少し怖い。
和希が何も言えずにいると、純は和希に視線を合わせたまま、急に近づいてきた。
「!!」
「・・・何付けてんだ?」
髪に付いたごみを、取ってくれただけだった。
・・・ばれたかと思った。
「純、だ。」
「はい?」
「宮城じゃねぇ、純、だ。」
純と呼んでくれってことか。
「うん。僕は」
「かずき、荷物はそれだけか?」
純が和希の足元にあった荷物を見る。
「うん・・・後から、もう少し来るけど・・・。」
和希は戸惑いながらも、答えた。
大丈夫、何とかなりそうだ。
やっと安堵の表情を浮かべた和希を、純は黙って見つめていた。

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プロフィール
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綾部 叶多
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当ブログについて

はじめまして。
こちらは綾部叶多が管理する妄想小説ブログです。
管理人の萌えツボをひたすら刺激するためだけの話がおいてあります。
管理人はリアル生活において低血糖なため、糖度が若干高めになっております。
お口に合いますか存じませんが、よろしければどうぞご賞味くださいませ・・・。




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