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超自己満足小説
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ねえちゃんが家を出ることになった。
24にもなって親元で暮らしてるのはどーとか言ってるけど、きっと男ができて、一緒に暮らすつもりなんだろう。
ねえちゃんは美術系の専門出たあとギャラリーでバイトしてる身だから、一人暮らしなんてするほど稼いでねえって、親だって分かってるはずなんだ。
「持ってく荷物こんだけか?」
引越しの前夜、ねえちゃんの部屋を覗いてみたら、がらんとした中に段ボール箱が重ねられてて、ああ、マジで出てっちゃうんだなって思った。
家具とかは家具屋から直接運んでもらうように手配したんだってさ。
「手伝ってやるって言ったって、免許も持ってないくせに。」
今、鼻で笑いやがったな?
俺はまだ高校生で、車はもちろん免許だって持ってないが、ねえちゃんの男を一目見ようと、手伝いを買って出たってのに。
「やることなんてないから、足手まといになるだけよ。それともなに?引越しそば食べたいの?」
「ちげーよ。」
俺は邪魔者なのか・・・。
それは最初から分かってたけどよ。
俺が明らかにふてくされてるのが分かったらしく、ねえちゃんは笑いをこらえたような顔で言った。
「じゃあ、お願いしようかな。力仕事あるかもしれないし。そのかわり、こき使うからね。」
「げ・・・。」

「うわ!!」
あ~、やっちゃったよ~。
ねえちゃんの荷物の中で、一番大きいやつ・・・しっかり梱包されてるけど、大きさと形で分かる。
これ、きっと絵だろ。
給料コツコツ貯金して、やっと買ったのって嬉しそうに言ってたもんなあ・・・。
うちじゃ、飾れるとこなくて陽の目見なかったけど、この部屋やたら広くて白い壁があるし、ここに飾るつもりで持ってきたんだ・・・。
やっべえ怒られるかも。
だが、手から滑り落ちたはずのそれは・・・
「あ・・・れ?」
・・・音を立てなかった。
「ねーちゃーん、これ、ガラスじゃねえの?」
「ああ、それ?」
ねえちゃんは運んでいた小ぶりの箱をその辺に置くと、俺に近付いてきた。
「そうよ、ガラスじゃなくって、アクリル。」
ねえちゃんは包材を解いて包まれていた絵を床から起こすと、絵についたほこりを払った。
「俺、ずっとガラスなんだと思ってた・・・」
「ガラスだとね、割れちゃった時、中の絵を傷つけちゃうのよ。」
「へ~え。」
ねえちゃんは満足そうにそれを眺めている。
よかった、割れてなくて。
「じゃあさ、そういうの、みんなアクリルにすりゃいいじゃん。」
「ところがね。」
ねえちゃんは布を持ってきて、額面を拭き始めた。
「そういうわけにはいかないのよ。」
「なんで?」
「ガラスは研磨剤入りのクリーナーを使っても傷つかないけど、アクリルはすぐに傷ついちゃうんだよね・・・。どっちをとっても、良し悪しってことよ。」
「ふ~ん。」
壊れにくいけど、傷つきやすい。
面倒なんだな。
「ねえちゃんの部屋、俺の衣裳部屋にするから。もう帰ってくるとこなんかねえぞ。」
なんて返事するか、と思っているうちに、姉ちゃんの携帯がなった。
「あ、電話。」
ねえちゃんは携帯を取り出すと、嬉しそうな顔で話し始めた。
「・・・うん・・・大体片付いたよ・・・。仕方ないじゃない、仕事だったんだから。弟が手伝ってくれたから大丈夫。・・・うん、待ってるね。」
ねえちゃんは笑った。
その顔は反則だ。
俺は眼を背けた。

なあ、俺たちって、なんで同じ親から生まれてきたんだ?
気がつけばいつも傍にいて、同じものを食べて、同じものを見て。
きっと俺たち、前世で結ばれることのなかった恋人なんだ。
だから神様が、二人を別れさないよう、姉弟としてこの世に生まれ返らせたんだ。
だとしたら、神様って残酷なことするよな・・・。
だってよ、これじゃ、別れることがなくても、一生結ばれることがないじゃねえか。

「俺はお前と違って、傷つきやすいの、デリケートなの。ガラスの心を持ってんだよ、俺は。」
鮎汰が力説する。
な~に言ってんだか・・・。
「おめっ、馬鹿にしやがったな?」
「してねえって。」
「俺はよお・・・、傷ついたぜチクショ~~。」
傷つきやすいって、それは、
「ガラスじゃなくって、アクリルじゃね?」
「ん?なんか言ったか?」
「べっつに~。」
ま、いっか。
アクリルじゃ詞にならねーし。
俺は寝っ転がって空を見た。
抜けるような、とはよく言ったもんだな・・・こうして見上げてると、空のほうが底が抜けて、吸い込まれそうだ・・・。
俺の気持ちも吸い込んでくれよ・・・。
目を閉じると、よけいに浮かんでくるからたちが悪い。
だって・・・誰より見てきた顔だぜ?
「まぶしいな、おい。」
鮎汰の影がなくなって、陽を直で浴びることになった。
目に滲みる。
目が潤んでいる理由は、日差しのせいにしようと思った。


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プロフィール
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綾部 叶多
性別:
非公開
自己紹介:
当ブログについて

はじめまして。
こちらは綾部叶多が管理する妄想小説ブログです。
管理人の萌えツボをひたすら刺激するためだけの話がおいてあります。
管理人はリアル生活において低血糖なため、糖度が若干高めになっております。
お口に合いますか存じませんが、よろしければどうぞご賞味くださいませ・・・。




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